診察室で多くの男性患者さんと向き合っていると、黄ニキビを悪化させている意外な共通点が見えてきます。その筆頭に挙げられるのが、毎朝の髭剃り習慣です。多くの男性は、黄ニキビができている場所でも気にせずカミソリを当ててしまいます。カミソリの刃は目に見えないレベルで皮膚を削っており、ニキビの頂点を傷つけることで中の膿や菌を周囲の毛穴に広げてしまうのです。炎症がひどい時は、剃り残しを恐れず、ニキビの部分を避けるか、刃が直接肌に当たらない電気シェーバーの使用を推奨します。また、アフターシェーブローションの中に含まれるアルコール成分が、炎症を起こした肌には強すぎる刺激となり、黄ニキビをさらに赤く腫れ上がらせてしまうケースも少なくありません。次に多いのが、日中の無意識な癖です。仕事中に頬杖をついたり、考え事をしている時に顎を触ったりする習慣はありませんか。手には無数の細菌が付着しており、炎症を起こしている部位に触れることは、まさに火に油を注ぐような行為です。特にスマートフォンの画面も細菌の温床ですので、通話中に画面が肌に触れることもリスクになります。さらに、意外な盲点なのが日焼け止めです。男性でも日焼けを気にする人が増えていますが、ニキビがある肌に油分の強い日焼け止めを塗り、それが適切にクレンジングで落とせていない場合、毛穴詰まりを悪化させて黄ニキビを誘発します。石鹸で落ちるタイプを選ぶか、ニキビ肌用の製品を選ぶことが大切です。最後に、男性ホルモンの影響も無視できません。過度な筋力トレーニングやサプリメントの摂取が、一時的にホルモンバランスを乱し、皮脂分泌を異常に高めることがあります。適度な運動は推奨されますが、極端な負荷は肌の状態を見ながら調整する必要があります。黄ニキビは体からのSOSサインです。なぜ悪化したのか、その背景にある日常生活を丁寧に見直すことが、遠回りのようでいて最も確実な解決策となります。
皮膚科医に聞く男性の黄ニキビが悪化する意外な理由